はじめに

 最初のブログとして私達がなぜこの会社を立ち上げたのか という理由を記したいと思います。

私(山田)は長い間、IT企業で人事部長をしていました。

その中で常に考えていたことは優秀な人材(会社に合う人材)をいかに発掘し、 会社に迎え入れるか、また、その人材に活躍してもらうかということでした。

毎年、何百、何千という学生に会い新卒採用も積極的に行っていました。

そんな私ですが、 ホライズンの共同経営者である西の紹介で東京大学教授の戸谷氏に会うまでは 若手研究者(ポスドク)の抱えるキャリアに関する問題を知りませんでした。

私がポスドクの現状を知ったとき最初に思ったのが、 ポスドクや研究者を目指す人たちのおかれている環境はあまりに過酷で不安定なものだということです。

また、ポスドクと民間企業との壁が想像以上に高く、そのような問題が存在していることすら 人事部長をしていた私でさえ認識していなかったということです。

研究者になれるほど学問で成果を出してきた人たちが なぜそれほど不安定な環境に置かれなければならないのかという思いがわいてきました。

私はよくIT企業の経営者たちから、人材に関する相談を受けます。

そしていつも優秀な人材がもっと欲しいという話によくなります。

会社の成長スピードに人材の獲得スピードが追いつかないからです。

同じ日本の中で、一方は優秀な人材が不安定な環境に悩みながら研究を続けており、もう一方で成長企業が人材不足のために成長が鈍化している。

今は、ポスドクを取り巻くアカデミアの環境と民間企業の環境の間には大きな壁が存在し全く違う世界として存在していますが、その壁を飛び越えることで新しい社会の在り方が見えてくるのではないでしょうか。

私はポスドクの置かれている環境で一番大きな問題は キャリアの選択肢の少なさだと考えています。

もちろん全研究者が希望のポジションについて研究を続けられるわけではないでしょう。

ただ、その時に民間企業に進むキャリアや民間企業で副業しながら研究を続けられるようなキャリアの選択肢があればどれだけ将来に対する不安が和らぐでしょうか。

もちろんそんなに簡単に状況が変わるとは思っていませんが、 ここ数年で民間企業の働き方がいろいろと変化している中で より両者が歩み寄りやすい環境ができてきたと思っています。

私自身これまで多くの方にキャリアに寄り添って仕事をしてきましたが、ポスドクの置かれている環境については少しでも早く改善する必要があると強く思い同志と共にホライズンを立ち上げました。

乗り越えなくてはいけない問題が数多くありますが、少しでも貢献できるよう頑張っていきたいと思っています。

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