今回は、東京大学 大学院理学系研究科天文学専攻 柏川 伸成 教授にお話を伺いました。
【プロフィール】
東京大学 大学院理学系研究科 天文学専攻 柏川 伸成(かしかわ のぶなり)教授
所属:大学院理学系研究科 天文学専攻天文宇宙理学講座
研究分野:自然科学一般/天文学/銀河天文学
研究テーマ:銀河形成、銀河進化、宇宙再電離、銀河間物質、大規模構造
ー 柏川教授から見て博士人材のキャリアの問題について感じることありますか?
最近ではかなり奨学金制度が充実してきたのもあり、わざわざ外でアルバイトせずともある程度の自活はできると思います。なのでどちらかというと、経済的な問題というよりは「キャリアのビジョンを広げる」というところに関して積極的に考えている方とそうでない方の差があるように感じます。
ー 研究者を目指す学生が減ってきている状況の問題はどんなことだと思いますか?
世界的にも世の中的にも多様性が増えてきたので、いろんな学生がいるのではないでしょうか。
最初から研究者だけを目指して入ってきた学生ばかりではなかったり、あるいは研究する中で自分の思っていたのとのギャップを感じ辞めていかれる学生もいると思います。
良くも悪くも、学生のうちに将来の多様なキャリアパスを見通しているのかもしれませんね。
ー 我々の取り組みについて教授という立場からお話を伺った中で、印象的だったお言葉はこんなことでした。
私としては、修士・博士課程などの機会があるうちにこのようなサービスを利用してチャレンジした方がいいと思います。社会に出て民間の企業で働いたという経験は、その後の財産になると思いますし、その時得られたネットワークが後々広がっていくということもあると思います。
ただ、学生の中には潜在的にこういうことやってみたいと思っている方は多いと思いますが、一方でこういうサービスを知らない状況があるのでマッチングさせる必要がありますよね。
こういう選択肢がある。ということを広く開示して経験者が増えることによって成功事例を作り、それを見せていくということがキーになってくるのかもしれませんね。
(取材:2022年6月13日)