大学発ベンチャー企業の調査結果が公開!〜後編〜

そもそも大学発ベンチャーとは?

経済産業省では、大学発ベンチャーを下記のいずれかに当てはまる企業としています。

① 研究成果ベンチャー: 大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー

② 共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー

③ 技術移転ベンチャー: 既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー

④ 学生ベンチャー:大学と深い関連のある学生ベンチャー

⑤ 関連ベンチャー:大学からの出資がある等、その他大学と深い関連のあるベンチャー

出典:経済産業省 令和2年度大学発ベンチャー実態等調査 結果概要

定義別大学発ベンチャー企業数

上記で解説した大学発ベンチャー企業の定義では、「研究成果ベンチャー」の割合が最も高いことがわかりますが、 過年度に比べ割合はやや低下している傾向にあることも見てわかります。

出典:経済産業省 令和2年度大学発ベンチャー実態等調査 結果概要

「バイオ・ヘルスケア・医療機器」業界が最多

2020年度に把握した大学発ベンチャーの業種別割合(業種は複数回答可)の結果がこちら。 昨年度に引き続き「バイオ・ヘルスケア・医療機器」業界が907件と最も多く、 次いで「IT業界(アプリケーション、ソフトウェア)」が数値を伸ばしているのがわかります。

出典:経済産業省 令和2年度大学発ベンチャー実態等調査 結果概要

新型コロナウイルスによる影響は?

大学発ベンチャーにおける新型コロナウイルスの影響については、特に資金調達(投資)でネガティブな影響が見られました。 資金調達(投資)を予定していた企業では、コロナ禍により「調達先候補との接触が難しくなった」と回答した企業が99社と多く見られ、 「調達検討が止まった」「調達予定が見送られた」も50社ほどに上る。

出典:経済産業省 令和2年度大学発ベンチャー実態等調査 結果概要

大学発ベンチャー企業における博士人材活躍の状況

大学発ベンチャー企業の従業員に占める博士人材の比率は、特に研究成果ベンチャーや技術移転ベンチャーにおいて、 一般企業の研究職に比べて高く、大学発ベンチャーでは博士人材が積極的に活用されていることがうかがえます。

出典:経済産業省 令和2年度大学発ベンチャー実態等調査 結果概要

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